「日本へ行く」と「日本に行く」のちがい

2021/04/03

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日本語に限らず、外国語を勉強していると小さな意味の違いと出会います。そして、その違いはミクロの違いだったりするものです。ネイティブに質問しても「う~ん…大体同じだよ」とお茶を濁されます(経験あり)。

さて、今日はタイトルのとおり、「日本へ行く」と「日本に行く」の違いを説明します。まず、助詞の「へ」と「に」の代表的な意味を見てみましょう。山下(2014)によると、

「へ」…移動の方向を示す

「に」…結果として確かな地点や場所に止まって動かない


となっています。「へ」は方向に注目している、「に」は目的地に注目している違いが分かります。この点から、下のような文脈の違いが分かります。

日本行きます=移動する方向を表意。

日本行きます=目的地(この場合は日本)を表意


移動に関する動詞(行く、旅行する、出る、入るなど)と使う場合は「へ」「に」どちらも使えます。しかし、助詞の「に」止まって動かないという意味もあるので、存在の文として使えます。この使い方は「へ」はありません。

X)日本います。

O)日本います。



参考文献 

山下好孝「「東京に行く」と「東京へ行く」」(2014)『メディア・コミュニケーション研究67号

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