【N2】「〜からすると」と「〜からして」の違い

2021/10/29

t f B! P L

判断の立場や根拠(どうして〜と考えるのか?)の表現に「〜からすると」と「〜からして」の文法があります。とても似ている文法ですが、判断の根拠の広さが違います。まずは、意味を確認しましょう。

 

〜からすると=判断の立場(どの立場で〜と考えるのか?)、判断の根拠(どうして〜と考えるのか?)

〜からして=判断の根拠の例示(どうして〜と考えるのか?例えば…だから)

 

です。…あまりよくわからないですね。例文をみましょう。

 

1)先生からすると、学生が授業中に居眠りするのは悲しいことですよね。

→判断=学生が授業中に居眠りするのは悲しい

 判断の立場=先生

2)国民からすると、増税は反対するはずです。

→判断=増税は反対

 判断の立場=国民

3)部屋の電気が消えていることからすると、彼は出かけているんだろう。

→判断=彼は出かけている

   判断の根拠=部屋の電気が消えていること

 

4)社長の表情からして、会社の経営がうまく行っていないんだと思う。

→判断=会社の経営がうまく行っていない

 判断の根拠=社長の表情(それ以外にも社長の話し方、オーラ、会社の雰囲気も)

5)このラーメンは色からして辛そうだ。

→判断=ラーメンは辛そう

 判断の根拠=ラーメンの色(それ以外にも、他の客の表情、匂いも)

 

どうでしょうか。「からして」には判断の根拠が他にもあることを暗示(はっきり言わないけど示す)しています。そういう意味で、判断の根拠が広い(たくさんある)ということです。


 

QooQ