【N2】だらけ・ずくめ の例外の話

2021/05/12

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 前回の投稿で「だらけ・まみれ・ずくめ」の説明をしました。今回は、その例外というか、補足の説明です。


【前回の復習】

〜だらけ:良くないものや嫌なものが全体についている、たくさんある

〜ずくめ:存在するもの全て〜、〜ばかり続いている


という文型の意味があります。「〜だらけ」は良くないもの、嫌なものと一緒に使うと言う文法ルールがありますが、実際には「良いこと」と一緒に使う表現もあります。例えば、本のタイトルで「体にいいことだらけ〜」「毎日がいいことだらけ〜」など、「良いこと+だらけ」の用法があります。その用法を当てはめると、


 1 家族が結婚したり、宝くじに当たったり今年は良いこと{Oだらけ/Oずくめ}だな。


と、2つ言い方ができます。言葉は時代とともに変化しますから、これも文法の意味の変化ということでしょう。では、その新しい文法の意味を勉強したところで、以下の文のニュアンスを考えてみましょう。

 

 2 あのカフェの店内にはかわいい猫だらけですよ。

 3 あのカフェの店内にはかわいい猫ずくめですよ。


2と3の例文はどちらもカフェの店内に猫がたくさんいると言う意味ですが、どの表現がより猫が多いと思いますか?


答えは、「猫ずくめ」です。


「猫だらけ」は猫が多い、かわいい猫がたくさんいると言う意味です。一方、「猫ずくめ」はカフェの店内に床が見えないくらい猫がたくさんいる、歩けないくらい猫がたくさんと言う意味です。少し大げさな文(本当にあったら猫好きにはたまらないですね)ですが、そんなニュアンスの違いがあります。他にも、黄金だらけ/黄金ずくめ、宝石だらけ/宝石ずくめなど表現できます。


いかがでしたか。言葉と文化は時代とともに変化するひとつの例を紹介しました。

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