日本語を話す時に副詞を使って感情を表すことができます。例えば、「どのくらいおいしいか」を言い表したいとき、
おいしい
まあまあおいしい
すごくおいしい
すっっっごくおいしい
などがあります。N3の文法には副詞ではなく、文型で話者の感情を表す表現があります。その一つが下の例文です。
1 おいしいわけがない
2 おいしいとは限らない
3 おいしいわけではない
4 おいしくないことはない
5 おいしいことはおいしいが
話者が「おいしい」と感じている表現は、この2つ
4 おいしくないことはない
5 おいしいことはおいしいが
そして、話者が「おいしくない」と感じている表現は、この3つ
1 おいしいわけがない
2 おいしいとは限らない
3 おいしいわけではない
くわしくニュアンスの違いを見てみましょう。
1「〜わけがない」これは、話者の強い意見です。話者が「絶対に〜だ」「150%〜だ」と強く表現することができます。否定形と使うこともできます。
高いわけがない=絶対に高くない、安いはず!
美しくないわけがない=絶対に美しい!
食べるわけがない=絶対に食べない
2「〜とは限らない」これは、「必ず〜ではない」「〜ではないときもある」と少し控えめに言う表現です。
高いとは限らない=高いときもあるし、安いときもある
美しいとは限らない=美しいときもあるし、美しくないときもある
食べるとは限らない=食べるときもあるし、食べないときもある
3「〜わけではない」これは、優しい否定形です。相手を傷つけないで否定するときに使うことがあります。例えば、友だちがケーキを作りました。そのケーキを食べた時に本当は「まずい、おいしくない」ですが、そのまま伝えると相手が傷つきます。なので「おいしくないわけではないけど…たくさん食べられない」と言います。
4「〜ないことはない」これは、二重否定(否定の否定、肯定の意味)を使い、弱く肯定する表現です。
高くないことはない=少し高いと思う
美しくないことはない=どちらかと言うと、美しいと思う
食べないことはない=食べるけど、少しだけ
5「〜ことは〜が」これは「が」がポイントです。「おいしい、でも〜」と他のことを言います。そして、後ろの文が話者の本音です。
高いことは高いが=高いけど、(欲しかったから買います)
美しいことは美しいが=美しいけど、(私は好きじゃない)
食べることは食べるが=食べるけど、(本当は食べたくない)
いかがでしょうか。長い説明になりましたが、読んでいただけると嬉しいです。
文法や言葉の表現で質問があればコメントに書いてください。
細かく例文を使いわかりやすいです
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